男らしくなろう

男らしくなろう


    ・概要
     男らしくなりたいです。
     男らしくなりましょう。

    ・必要経費
     8000円くらい。

    ・用意するもの
     男気

    ・必要人数
     一人

    ・書いた人
     志



    男らしくなりたいのですが、男らしさとは何でしょう。
    今回は、それは「無口」であることだと考えます。
    おしゃべりな男というのは軽薄な感じがしますし、
    逆に無口な男は見るからに渋みが出ています。
    沈黙は金、雄弁は銀。という言葉があるように
    黙っている者はただそれだけで多くを語るのです。
    男らしく、黙る。

    しかし、これだけでは足りないので
    男らしいシチュエーションもつけます。
    男らしいところといえば、当然吉野家です。
    無口+吉野家
    想像しただけでも男気がぷんぷん漂ってきます。

    いざ、男らしくなるために吉野家へ。
    と思ったのですが、困ったことに気づきました。
    吉野家で黙ってたら注文できません。
    座ってるだけの変質者です。
    警察を呼ばれてしまうかもしれません。

    そこで打開策としてこんなものを作りました。



    特注 吉野家注文Tシャツ

    これを着ていれば、黙ってても注文できます。
    完璧です。男らしいです。準備万端です。
    吉野家にいきましょう。

    深夜2時ごろ、いつもの吉野家に入店します。

    店員「いらっしゃいませ」

    席に座って店員さんが来るのを待ちます。

    店員「ご注文は」
    志 「・・・」
    店員「・・・?」

    店員さん、どうやらシャツの文字に気づかないようです。
    困りました。
    すこし考えましたが、大事なことを忘れているのに気づきました。
    男たるもの、胸を張って生きるべきです。
    なので胸を張って文字を強調してみました。
    店員さんの視線が動きます。

    店員「・・・ふふふふはははははははは」

    通じました。

    店員「1つでよろしいですか」

    軽く頷いて同意します。

    店員「はい、かしこまりました。特盛つゆだくいっちょー!」

    無事に注文できました。何とかなるものです。
    調理場のほうに耳を立てていると、
    なにやら「若手芸人」という単語が聞こえました。気のせいでしょう。
    男は細かいことを気にしません。

    しばらくしてきた豚丼特盛を美味しく頂いて
    すぐに席を立ちます。男はだらだらと長居などしません。
    私が立ち上がったのを見て店員さんが寄ってきました。

    店員「お会計、豚丼特盛で520円です」

    ポケットに直接入れてあった小銭でぴったり払って店を出ました。
    男らしかったと思います。

    言い忘れていましたが、最後に。
    男は背中で語るものです。


    こんな風に (背面プリント)

    ドアを出た後、店内大爆笑。
    「背中に、ごちそうさまって書いてあるなんて」
    とかいう声が聞こえました。
    声の人数からして、他の客も笑っていたようです。

    笑顔で見送られるなど、かなりのいい男だけの特権です。
    かなりの満足で男らしく帰るのでした。




    ・結果
     黙ってても注文は出来る。
     オーダーTシャツは意外と高い。(7500円)
     男なら胸を張れ。



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